読了

kt-blackout2004-01-06

論語岩波文庫 : 金谷治 訳注 : 昭和39年

内容に触れる前に。この本には ISBN ありません。何しろ ISBN は 1971 年に国際標準化機構により制定されたものであり、この本は昭和 39 年( = 西暦 1964 年)に発行されたものですから。しかもうちにある本の中で初めての透明薄紙カバー本(写真参考)。いや、なんだかいいですね、風情があって。

論語』とは何かの意味も込めて本書冒頭の数行を引用しておきましょう。

論語』は孔子を中心とする言行録である。それは、『大学』『中唐』『孟子』とならぶ「四書」の筆頭として、中国はもとより、我々の祖先の血肉となりバックボーンをも形成した、古典の中の古典である。

ご存じの通り『論語』の中身は文章というよりは 1, 2 行の文章の羅列です。そのほとんどが「先生(=孔子)曰く『 ~~~ 』」という孔子の言葉を引用しているものに過ぎませんが、不思議な事に全体を読み通すと何となく孔子とその弟子らの生活ぶりが見えてきます。孔子も弟子も現在では考えられないぐらい”礼”や”徳”といったものを重んじているので、今読むと『嘘くさい』『偽善』などという感想を持ってしまうかもしれません(私も最初はそうでした)。

なぜそう考えてしまうのかというと、おそらく『論語』が『孔子はこんなに凄い人なのだ』という事を書こうとしていると考えてしまうからだと思います。つまり『孔子自慢』ですね。私は途中から『孔子などは空想上の人物であり、論語は一つの ”徳や礼” の形を提案しているのだ」と考えるようにしました。そうすると不思議と内容がすんなり入ってきますね。

いくつか、記憶に残った文を引用しておきます。

先生が言われた、「わたしは十五歳で学問に志し、三十になって独立した立場胃を持ち、四十になってあれこれと迷わず、五十になって天命をわけまえ、六十になって人のことばがすなおに聞かれ、七十になると思うままにふるまってそれで道をはずれないようになった。」

先生がいわれた、「昔の学んだひとは自分の(修養の)為にした。このごろの学ぶ人は人に知られたいためにする。」

先生がいわれた、「知っているというのは好むのに及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない。」


ISBN:4532147875 セキュリティマネジメント入門】
わりと総合的なセキュリティ的意識を提案しています。普通のセキュリティ本とはちょっと違う内容なので割と楽しめる内容ですが、どんな内容かといわれるとちょっと上手く説明できません(すいません)。タイトルの通り「セキュリティマネジメントについて」書いてあるとしかいえないですね。

企業内サーバのセキュリティについて考える際に『どのような危険性が考えられるか』『セキュリティ計画はどうする』などという事が書かれているので急にサーバ管理を任されたりした時に一読すると良いかもしれない。